TO METHUSELAH

アフリカの、大型バラフォンのダイナミックな超低音が、体の芯をバイブレーションで揺さぶる。
低くグルーヴする自然音のパワーが、体の底からやる気を起こさせてくれる。


(ジャケットはクリックすると拡大します)

1. Forest of Bristlecone Pine  (4:29) 試聴
2.Godpaella (17:46) 試聴
3.Mr.Oisugi (11:34) 試聴
4.Positive & Negative White Mountain (8:33) 試聴

 

 

CDライナーより

チャンシーの5枚目のアルバム「To Methuselah」は、コギリではなくバラフォンのインプロビゼーションである。

このアルバムには、どこか漂白を誘うところがあるように思う。

西アフリカに、若者は大人になる前遠く旅をして一人前の男として認められる、という古い慣習がある。このバラフォンの響きは、アフリカの土臭い感じに溢れ、たまらなく郷愁をさそう不思議な音である。

得体の知れない原初的な雰囲気がリズムの合間に漂う。

太古に描かれた洞窟壁画を目の前にした、とでも云うべきものであろうか? 

一度聴くとまた聴きたくなってくる。何故であろう。このバラフォンであるが、ブルキナファソか、マリ、セネガルあたりのバラフォンと思われるもので、背の丈を越えるかなりの大型のものである。

バラフォンを聞いたことのある方は、音色も通常のものと何処かが違っていると思われるかもしれない。

木を叩く木琴風な音も無い。アタック音よりも、響きが大きく強調されてある。

これには、秘密がある。通常、バラフォンは、鍵盤がフレーム上にじか置きする構造をしている。

しかし、このバラフォンは鍵盤が浮いているのである。

吊橋状に両サイドから吊り下げられている特殊なバラフォンである。

このような大型バラフォンには構造的にも難しいと思われるが、特別のチューニングにより、ほぼコギリに近い構造をしているのである。

深みのある響きはそこから紡ぎ出されてくる。それに加えビーターがソフトなことだ。

このバラフォン、何とも云えぬ不思議な音の世界を開く。
(thanks by Tatuya Nakamura)

肉体を持ったリズム

身体的なリズムを持った音楽がまれにある、プロとかアマとかの技量の問題ではない。

内的なものが外に出て肉体化し個性化した、と云うべきものである。

まるでつっかえひっかえだが経験豊かなアフリカの古老の話を聞く面白さである。

このアルバムにもそれに近いものを発見できる。
リズムというのは暗黙に合うことを前提にしているが、ともすると、微妙にずれることによって、著しく感情的なものを掻き立ててくる。

日本の新内や、ブルーノートなどは、音程が微妙にずれることで独特な情緒的魅力を引き出しているが、リズムという面で、アフリカの奥地にもこのようなものを発見することがある。

しかし、一度聴くとその奇妙な存在感は病みつきになる。リズムが肉体を持ってしまったような、不思議な感じのするものだ。

アフリカの木琴でも、コギリは多分に肉体的な習得の果てに演奏があるが、その同極に、このような、なんとも表現しがたい、不思議な味わいのある音楽が誕生することもあるのだ。

To Methuselahとは 

カリフォルニア州インヨーのホワイトマウンテンには、4500年を生き抜く世界で最も長寿の松がある。
ブリッスルコーンパインの、メス-ゼラと呼ばれる木がある。このアルバムはそのメスーゼラに捧げるものである。木琴は、その名のとおり木の音そのものが音楽となるものである、何故かそれは不思議と水を思わせる音色となる。地球上の、最も厳しい環境で生き抜く最も長寿なこの命に、私は途方も無い畏敬の念を感ずる。

                      チャンシー 2010.1.21

 

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